【上手の方針】


[52玉→76歩]

52玉に対し、76歩と角道を開けてくるのが"角がカクカクタイプ"である。

実は52玉が最善という結論に達する前までは42玉と指していた。

33角成を事前に受けているし、飛車先を突いて来ても正直に32玉と寄れる、といった具合である。

しかし、このような正直すぎる手は指導とは言えない。接待である。

そもそも上手は、"指すかどうかわからない手"を先に受ける必要はない。

指してきたときに受ければよいのだ。

結論から言うと、76歩に対しては44歩と突く一手であるため、角がカクカクタイプに関しては初手が42玉でも52玉でも変わらない。

 

左図をご覧いただきたい。

初手から42玉→76歩→44歩と進んだ局面であるが、

 

 

 

 

 

44同角→43玉と進んでみると、初手に52玉と指した場合と同じ局面を迎える。

 

 

 

 

 

 

しかし下手が飛車先まっしぐらタイプの場合は左図の局面を迎える。

この局面、違和感を感じないだろうか?

次に22飛車成を見せられているが、もし上手玉が52にいれば、自然と63玉と上がれるのだ。

つまり、初手42玉という手は、わざわざ一手かけて玉を危険地帯へ進める悪手ということだ。

 

 

—ちょっと寄り道—

どうしても書きたいことがあるのでちょっと寄り道。

まだ上手が初手に42玉と指していたころ、左図のように進めることが多かった。

42玉→76歩→64歩と進めた局面であるが、ここで下手は何をしてくるか。

 

 

信じられない話だが、本当に将棋を始めたての初心者さんは角道をトントントンと確認しながら、スッとずれて23へ角を成ってくる。下手の駒はこのような特殊な訓練を受けているケースが多い。

最初から読み進めてくれている正統派の読者の方。ここでそっ閉じはいけないぞ。

本当に多いから紹介しているのだ。指導者の方であれば、うんうんと頷いてくれているに違いないと思っている。

ちなみに多面指しだと、堂々と二手指しされていたり、勝手に持ち駒にしていたり、隣から駒を持ってきたり、やりたい放題されている場合もある。指導の現場は大変なのだ。

 

—本題に戻りまぁす—

[76歩→44歩]

ある程度指せるようになってきた下手には44歩と突く。

同角に43玉と、ちょっとでも早く玉を上がるためだ。

 

 

 

[44同角→43玉]

え?44同角と取ってくれないって?

十枚落ちの手合いのうちは、そもそも44の歩を取れる、という事に気がついてない場合が多い。相手が動かしたところをしっかりと見て、何も利いてなかったら取る。"タダの駒は取る"の基本をしっかりと教える。

 

 

 

[66角→34玉]

最も実戦例が多いのが66角だ。

35角もあるが、どちらかというとありがたい手。変化を書き始めるとキリがないので省略する。

 

 

 

 

[93角成→54歩]

角成りを受ける手段はない。角を成られる代わりに飛車を封じ込めるのがセオリーだ。

 

 

 

 

 

[26歩→24歩]

下手は飛車先を伸ばしてくることが多い。

すかさず24歩と飛車先を封じる。

 

 

 

 

 

[25歩→25同歩]

いや、本当に多いんですこれ。

25歩と堂々と突いてきて、同歩です。

極めつけはこのあと27飛車とか(以下略

数が足りていないので、もちろん25に行ってはいけない。歩の数を数えてもらって、しっかり損したことを伝えよう。

 

 

—ちょっと戻って—

[78飛車→74歩]

25歩と行けないことを理解すると、飛車を展開してくるが、ここでも恒例の74歩である。

とにかく上手は弾数がほしい。

75歩~76飛車と飛車を浮いて使われてしまうと、歩を入手するタイミングを逸する。

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