九枚落ちだと守りの金がついてくる。

言うまでもないが、左側の金を落とす。

筆者がまだピュア(?)なころ、十枚の次は八枚、八枚の次は六枚という、こだわりのようなものを持っていた。

片方の金だけがある状態がバランスが悪いような気がして、落ち着かなかったのだ。

しかし、下手からすると金が一枚増えるだけでも相当な威圧感があるらしく、今まで十枚落ちで学んだことが飛んでしまい、途端に玉を囲い始めたり、無意味な手を指してくることが多い。

それが八枚落ちとなると、金が二枚"も"増えるというのだから、たまったものではない。

十枚落ちの次は九枚落ち。指導のためには自らを戒めねばならぬぞ。

九枚落ちでは、相手のタイプによって初手を変える。

[上手初手42玉]

最もベーシックかつ、万能な構え。

初戦の場合もこの42玉を用いる事が多い。

 

 

 

[上手初手72金]

角道開けるの遅いのよタイプにはコレ。

 

 

 

 

 

 

[上手初手52金]

初手52金は神の領域に近い。

指しこなすのは至難の業だが、*センシズを用いれば化ける指し方。

*セタに対しての有効性が認められている。

角がカクカクタイプに大変有効で、角を成らせている間に、金で下手の飛車を制圧してしまう方針。


【君は本当にわかっとるのかね?手順】


[42玉→76歩]

十枚落ちで嫌というほど角をいじめられた下手は、初手に角道を開けておき、それから飛車先を伸ばせばいいではないかという構想を見せてくる。

角道を開けてから、飛車先を伸ばす。棋譜だけ見れば、さも当然のように見えるが、一手一手の意味を理解して動かしているのと、覚えただけの一手では、一手の重みが違う。

下手の成長を喜びながらも、しっかり理解しているのか確かめるのが上手といふもの。

君は本当にわかっとるのかね?と問うのが、今から紹介する手順である。

 

[72金→26歩]

あらかじめ断っておくが、上手の42玉から72金という手順は甘々手順である。

詳しくは後ほど紹介するが、62金~54歩~53金~64金を目指す指し方や、*爆速を用いて角をぶんどる指し方など、多岐にわたる。

 

 

 

[84歩→25歩]

 

 

 

 

 

 

 

[32玉→26飛]

32玉も甘々な手であるが、これはあくまでも君は本当にわかっとるのかね?手順であるので二度は無い。

 

 

 

 

 

[83金→36飛]

この構想である。33へ飛車角の利きを集中させ、早々に大駒を成りこんでやろうという狙いだ。

上手の次の手は。

 

 

 

 

まずは角をおびき寄せて。

 

 

 

 

 

 

 

[44同角→34歩]

飛車もおびき寄せて。

 

 

 

 

 

 

[34同飛→★43玉]

これである。飛車角両取りモドキだ。

下手は相当慌てるのか、

 

 

 

 

 

かなり慌てた手つきで31飛車成と指すのだ。当然ながら角を取ってゲームセットである。

この局面はかなりの実戦数があり、大人の方でもこの局面を迎えることが多い。

正着は33飛車成であるが、竜にして角にヒモをつけるというのが難しいらしく、下手と一緒に竜も角も取れないことを確認したい。

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